かぶり・配筋測定
コンクリート構造物を破壊せずに内部の配筋状態(位置・方向)を探知し、そのかぶり厚(コンクリート表面から鉄筋までの距離)を測定します。国土交通省の橋梁工事では、(社)日本非破壊検査工業会主催の「コンクリート中の配筋探査講習会修了者」による鉄筋探査試験が指定されています。
◆測定方法
電磁波レーダーを使用して、コンクリート構造物の鉄筋探査を行います。
鉄筋の平面的な配置とかぶり厚を計測します。
電磁波レーダーは、アンテナからコンクリート内に向けて電磁波を放射し、その電磁波がコンクリートと電気的性質の異なる物質(鉄筋、配管、空洞など)から反射して戻ってくる際の伝達時間を計測します。 |
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●電磁波レーダ法の特徴 |
・周波数が低いほど減衰が小さく、より遠くの物を探査できるが小さな物は探査できない
・周波数が高いほど減衰が大きく、近くのものしか探査できないがより小さな物を探査できる |
●長所 |
・取り扱いが簡単
・短時間で広範囲の探査が可能
・すぐに結果が得られる(位置情報のみ。深さ情報に関しては比誘電率の補正計算が必要)
・測定結果をイメージとしてとらえやすい
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まずプローブ内部の励磁コイルに電流を流し、交流磁場を発生させます。
電磁場内に鉄筋などの磁性体が存在すれば、その磁性体に新たに電流が流れ、同時に磁場が形成されます。
その磁場の変化によってプローブ内部の検出コイルに電流が発生し、コイル電圧が変化します。この変化を計測し数値処理することによって鉄筋位置、かぶり厚を測定します。 |
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●長所 |
・取り扱いが簡単
・かぶり厚および鉄筋径が高精度で検出可能
・空洞、ジャンカなど(非磁性体)の影響を受けない
・測定結果が数値(デジタル)で明確に表示されるため、測定者のデータのばらつきが少ない
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◆用途
●床・壁面内部等の配管・鉄筋位置・配筋間隔等の特定。
●耐震診断調査におけるテストピース採取位置の特定。
●既設建築物の梁の貫通場所の特定。
●機械据付用アンカーボルト位置の特定。
●空洞などの位置の特定。
●かぶりの計測。
電磁波レーダー測定画面